Copyright(C) 2007 Kanji Morimatsu All Rights Reserved.
消費税増税を考える
  国の財政・税制関係資料を読む
  第3版

消費税増税を考える
 第3版(衆議院議員選挙結果含む)


■ お金の常識を疑う

        

本小論はPDF文書です。クリックして開いてください。多少時間がかかります。なお、アクロバット・リーダーがパソコンにインストールしていない場合、無償ダウンロードサイトから入手してください。

消費税増税、選挙公約違反
2012.6.26、民主党の「社会保障・税の一体改革」が自公民三党の合意によって改変され、消費税増税を突出させて衆議院で可決された。消費税増税は民主党の選挙公約にはなかったもので、これは明白な選挙公約違反である。今回、民主党は選挙での信認を受けずに、白昼堂々と国家と国民との重大な選挙公約違反を行った。

資本主義経済において、重要な商取引は、互いに契約書を取り交わすことによって成立する。万一、一方が契約書に違反した場合、厳正に追及され、法に照らして処罰を受ける。その理由は「契約書を一字一句、文字通り守り通す」ことこそが、資本主義を奉ずる民主主義国が守るべき最低限の規範であるからである。

民主主義国において、選挙公約が選挙によって信認されることにより、国民は国家に課税権を委ね、国家は課税権を行使して国民から租税を徴収する。税に関する選挙公約は、契約書のなかでも国家と国民が交わす最大なものである。

大方のマスコミや識者からは、この契約違反の重大性についてあまり鋭い指摘がない。これが官・民でまかり通っている日本は、先進民主主義国から契約書を軽んずる民主主義が遅れた後進国として軽蔑され、先進国から仲間外れされかねない。

あらまし
本論考のテーマを「消費税増税を考える」とした。これをはじめるには日本経済の実態を知らなければならない。日本経済を大きく時間軸で捉え「過去から現在までの日本経済」と、その断面としての「現在の日本経済」の二つの見方から「日本経済の森」に踏み入ってみようと考えた。

先の2010年「国の資料を読んで財政と税制を考える」を元に、今回これをさらに掘り下げてみた。

国の省庁は行政執行をするために、それぞれ調査機関を持ち、その結果を毎年公表している。まず、主要省庁にどんな報告書があるかから調べはじめ、その中から、本論考に参考になる資料を取捨選択した。選んだ主な資料は次の通りである。

A内閣府 国民経済計算 日本経済の循環
B内閣府 法人企業統計  法人企業の財務諸表
C財務省 国税庁 統計情報 標本調査結果
・税務統計資料から見た民間企業の実態
・税務統計資料から見た民間給与の実態

別冊 参考資料
・D財務省 国税庁 税務大学校 税大講本
・E財務省 わが国の財政事情

「木を見て森を見ず」という諺がある。細かいことにとらわれて全体が見えないという喩えである。森に入って木々を克明に調べることにより森の全貌を知ることができる。

トップページに戻る

最終更新日
2020年2月19日