主食のイネをつくるために、古来日本では村の共同体(結い)が、山に木を植えて森林を育て水路をひらき、水田の用水管理や年中行事を行ってきた。
約100年前までの日本には、この自然と一体化した「日本の原風景」があった。
山に降った雨は、地表を流れ地下にしみこみ、やがて田んぼに導かれる。栄養を含んだ水が田にかけながされると、稲は連作障害を起こさずに、より少ない肥料でよく育つ。
また水田は、雨水を溜めるので、集中豪雨時に水が川に一気に流れ込むのを抑えて洪水を予防するなど、自然環境保全に役立っている。
近い将来、世界人口増に伴う食糧危機が予想される。日本には、米を主とし伝統的な発酵食品を加えた米食文化がある。現在世界的に、「健康づくりと長生き」には、肉食を減らした穀類を主体とする低カロリーの日本食が良いわれている。