2015年1月今年をふりかえる

今年をふりかえる。
 70歳を過ぎる頃になると、前に出来ていたことが出来なくなる自分に気付く。これは仕方のないことだ。人間も動物の仲間なので、生老病死から免れることはできない。こころの隅に、すこしづつ人生の終い方をどうするかが浮かんでくるようになる。

 昨年の暮れ、ベランダ外枠のひびがだんだん大きくなり、いよいよ放置できなくなった。前の改修工事からもう15年位は過ぎている。そこで、年が明けてから知り合いの工務店に下見してらったところ、すぐにでも工事をする必要があるということだった。今春の豪雪で、八王子でも駐車場の屋根が倒壊したりビニールハウスが潰れたりの被害が大きかった。いざ見積もりをとり工事開始を何時から始めるかになると、工事人が集まらない。

 5月に入り、ようやく台所のキッチンユニットの交換、引き具合の悪いアルミサッシの交換から始めた。夏も過ぎ9月に入り、ベランダの防水加工、一部ペンキ塗り、一部襖の張り替え、屋根瓦の補修などの改修工事を10月いっぱいで終えることができた。

 工事がはじまってくると、つい欲がでて当初の予定から大分膨らんでしまった。この先を考えると、おそらくこれで最後の改修工事になることだろう。家の外では、庭に沢山あった植木鉢やプランタを引き取ってもらったので大分スッキリした。もう以前のように花や野菜を育てることはできないので、身の丈にあった分量にするしかない。植木も大幅に剪定しなくてはならない。

調べるということ
 今から十年前から年に一度、八王子千人塾で調べたものをまとめて発表するようになった。調べものをするためにはまず資料集めをおこなう。初めのころは図書館から借りた本の一部をコピーしたりして資料を整理した。そのうちに必要な資料を手元においておきたくなってきた。参考資料が図書館にないものが出てくるとインターネットを利用して古書を買うことが多くなってきた。まとめることを十年続けてきたので、今年で10作品をまとめたことになる。

 わたくしの生まれが米どころの富山だったので、最初のテーマは「米」について調べることから始まった。古来日本人の主食は米である。最近の日本人は米を食べなくなってきた。そこで米に関連して次のテーマを「食」とし、日本の自給率を含めて調べることをはじめた。食を調べているうちに米に重大な関心を寄せていた宮澤賢治を知った。

 世界同時不況(1927-1935)のさなかに宮澤賢治(1896-1933)が若くしてなくなったことを知った。2008年リーマンショックにより世界同時不況が始まった。その次に宮澤賢治に事績に合わせて、人びとを不幸のどん底に突き落とす「経済恐慌」を調べることにした。このように、一つのテーマが終わるごとに幾つかの疑問が生まれ、それが次のテーマになった。

 このころから政治経済に関心を持つようになり、政治経済関係の本を読みはじめだした。参考資料を跋渉するうちに、どうしても手元に本を置いて必要なとときにすぐ取り出して見たいという欲求がでてきた。そこでインターネットを利用して本を入手することが多くなった。この分野は政治・経済・社会にわたって裾野が広い。 統計について、インターネットを利用して国の統計資料を入手し、excelを使い膨大な数字の集積を視覚化して見やすいようにすることを心掛けた。最近になって、ようやく全体像が浮かぶようになってきた。

 「真理はシンプル、単純な方程式であらわされる」という言葉がある。表面上の複雑さに惑わされないように、なにが本物なのかを考えながら見極めてゆきたい。


 今春次兄が長患いの末、亡くなった。5人兄弟のうち、姉、次兄、弟が亡くなり、長兄と三男のわたくしの2人だけが残った。父親が戦死し、母子家庭という中で雑貨店をしながら、残された子どもを育てあげた偉大な母親にあらためて感謝。