2013年11月自公政権の強行採決のもとに特定秘密保護法成立

2012.12.16衆議院選挙結果によって、「日本をとりもどす」とした自民党が圧勝し自公政権が復権した。この政権は衆議院のまやかし選挙制度小選挙区制により、少ない得票数により多数の議席を得た。この選挙結果は国民の政治に対する意思を正しく反映したものではなかった。

2013.11.6深夜、特定秘密保護法案が参院本会議で自公政権の強行採決のもとに成立。第1次安倍内閣の際にもそうであったが、結論ありきで形だけの公聴会などで賛成意見だけを集め、国民の声を聴いたという既成事実をつくり、自公政権は数の力でこの法案の強行採決を行った。

日本国憲法には国民主権がうたわれている。国会が国民の不利益になる法律を制定しないよう、憲法は主権者たる国民が国家権力を拘束する最高法規である。次に国家権力を握った政権が国会で採決して成立した法律は国民を拘束する。国家の機密を守る名目で制定した法律は、憲法で保障する国民の知る権利まで侵害するということは許されない。

戦前には国家を守るという名目でつくれた治安維持法などの法律が拡大解釈され、国民の知る権利をはじめさまざまな権利が侵害された歴史がある。この法律は国民の知る権利と自由を奪う憲法違反の疑いがある。国民の前に国家を声高に掲げる安倍政権は、一体誰に奉仕しようとしているのか。

そもそも今回成立した特定秘密保護法は昨年末の衆議院選挙の自民党の選挙公約にはなかった。特に国民の権利に関する事項については、国民の間で十分に意見を戦わせる必要がある。この法律は国民に知る権利に関するもの関わらず、この法律は何が秘密かあいまいで秘密指定をするのが政府ではチェック機能が働かない。

この法律の内容が知れ渡るにつれ、国民各界各層からの反対の声が高まってきている。「決める政治」を標榜する安倍政権は反民主主義的性格をもった極めて右傾化した政権といわなければならない。


 特定秘密保護法に関する参考報道及び記事
背景に米の意向=アルジェリア事件が後押し-秘密保護
安倍政権が特定秘密保護法案の成立を急ぐ背景には、同盟国間で共有する機密の保全を求める米政府の意向がある。特に、政権発足間もない今年1月のアルジェリア人質事件で、在留邦人の安全確保に米国の情報が不可欠であることを痛感し、法制化に前のめりとなった。民主党政権下で法整備が検討されていたことも下地となった。
 時事通信2013.11.7を転載

 特定秘密保護法が成立=漏えい懲役10年―「知る権利」侵害の危惧
これにより、防衛、外交、スパイ活動防止、テロ防止の4分野で、閣僚ら行政機関の長が「特定秘密」を指定し、漏えいした公務員、民間人は最高10年の懲役を科される。恣意(しい)的に秘密指定されかねず、チェック機能も不十分など「知る権利」侵害への危惧は残ったまま、公布から1年以内に施行される。
 時事通信2013.12.6を転載

 知る権利に関する日本国憲法条文
第21条 [集会・結社・表現の自由、通信の秘密]
① 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
② 検閲(けんえつ)は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない

 国家秘密に関連するこれまでの日本の法案
1954年の日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法(通称「MSA秘密保護法」)では、「特別防衛秘密」について「保護上必要な措置」を講じることに加えて「特別防衛秘密を探知や収集をした者」および「特別防衛秘密を他人に漏らした者」に対しての刑事罰が規定されている。
1985年には、国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案(通称「スパイ防止法」が第102回国会で議員立法として提出されたが、第103回国会審議未了で廃案となった。2011年にも、国家秘密の管理体制強化を目指す「秘密保全法」が検討されたが、この時は法案の国会提出は見送られている。
 特定秘密保護法案4項特定秘密保護法の概要 ウイキペディア フリー百科事典より転載