2013年1月 2012.12.16衆議院議員総選挙結果と今後

選挙結果
投票率が59.32%と過去最低の総選挙となった。前回総選挙と比較すると10ポイント近い下落となった。前述の通り自由民主党の圧勝となったが、比例代表の獲得議席や得票率では議席配分比ほどの大差とはならなかった。実際、自民党の比例代表の議席は前回総選挙と比較しても2議席しか増えておらず、比例の獲得票自体は減少している。

これは、政党の乱立により民主党や第三極の各政党がそれぞれの小選挙区に候補者を擁立したことで票を食い合って共倒れとなったことが自由民主党に利したためと分析されている。
第46回衆議院議員総選挙 - Wikipediaより転載

投票前に、今回の選挙をどうするかを周りの人に聞いてみると、どこに入れてよいか分からないと戸惑っている人が多かった。3年前長期自民党政権に嫌気をさした国民は、多くの期待をもって民主党に投票したが、選挙公約が守られず末期には以前の自民党と変わらない大企業寄りの政策をとった。消費税増税は公約にはなかった。

民主党の公約違反は国民との信頼を裏切るものだった。選挙公約は国民が政党と契約する契約書の中でもっとも大なるものだ。国民が契約違反に憤激する理由は、選挙によって政権政党に課税権を委ねることになるからだ。
これまで増税を掲げて選挙を行った政権政党はことごとく惨敗している。今回、国民の怨嗟の的が政権政党を叩き、裏に隠れた野党自民党が漁夫の利を得た。

自民党の小選挙区と比例代表の得票率は、それぞれ43.0%、27.6%と大きく異なっている。自民党は全議席の61.3%を得たが、比例代表では国民は27.6%しか信任していない。このことからみても、小選挙区制は民意が反映されない主権者の権利を奪う反民主主義的な制度であるといわざるをえない。

将来にかかわる問題と、現在にかかわる問題
衆議院議員選挙は、今後政党が国政をどのような方向に進めてゆくかを見極めて国民が国政を選択する重要な国政選挙である。反原発・反消費税増税・反TPP交渉などは、将来の未来世代にかかわる問題であり、生活や景気をどうするかは現在世代にかかわる問題である。今回の国政選挙では、未来と現在の二つの問題が同時に問われた。選挙前の国政アンケートを見ると、国民の意識は前者に関心を持つひとが大勢を占めていた。

自民党の「日本をとり戻す」などという公共投資による景気浮揚策は、20年前から続いてきた経済政策と同じである。その政策は「失われた20年」という経済成長低迷と巨大な財政赤字を積み上げてきた失敗路線だった。長期にわたって公共投資を行い官需を増やしてきたがデフレ不況は克服できなかった。

今回の選挙結果は、未来の利益よりも現在の利益の方により関心が集まった結果、利益誘導型の古い体質の自公政権が復活した。これが現在世代の国民意識である。今後は、未来にかかわる国政上の重要問題は未来世代も入れた国民投票を行うなど、直接民主主義を取り入れることも必要だ。

現状と今後
国税庁統計情報によると、年間平均給与は1998年423.8万円をピークに2010年358.9万円と64.9万円も減らしている。平均給与が下がると国民は、将来が不安となり不要不急の消費を減らす。また消費税増税は需要を減らし供給に対し需要が大きく減るため、さらにデフレ不況が深刻化する。

これまで企業は投資を控え内部留保を増やし、雇用者報酬を引き下げてきた。また税制改悪や労働者派遣法など改悪により全労働者に占める非正規労働者の割合が3人に1人に増えた結果、分厚い中間層が減って富裕層が増え、「格差社会」といわれるような経済社会構造に大きく変質してきた。

企業の内部留保を取り崩して労働者の賃金を上げ、民需を増やすことこそがデフレ不況を打開する道となる。また赤字財政の再建には消費税増税ではなく、所得税の累進税率の高かった20年以前の税制に戻し、富裕層への課税を増やすことが必要である。
今回の自公政権による公共投資による景気浮揚策は、失敗した経験済みの財政赤字を累積させるだけの正に亡国路線である。


「有効需要の原理」とは
景気は需要と供給が一致(均衡)する点を求めて変動する。1929年に企業倒産が続出し巷に失業者があふれた世界恐慌が発生した際に、政府が公共投資をすることによって需要を増やし、国民生産高を上げて国民所得を増やし不況から脱するという「有効需要の原理」を経済学者ケインズが発見した。これを米国ルーズベルト大統領が採用し、ニューデール政策により失業を減らし経済成長を促して国民所得をあげ不況を脱することに成功した。

D(需要)=(消費)+(投資:政府、民間)
Y(国民生産高)=C+I   均衡方程式
D(
需要)=S(供給)    市場の均衡条件

失業者が発生する状態の不況時にはS(供給)に対して需要が少なくなる。かのいずれかを増やすことにより増える。に近づくと均衡点に達し(国民生産高=国民所得)が最大になる。経済成長が伸び好景気の状態となる。ケインズは政府が無謀な財政出動をすれば財政赤字を増やす財政規律を乱すとして、この政策は一時的なカンフル剤とし常時採用してならないと警告していた。

逆にT(課税、今回は消費税増税)するとCが下がってDが減り、Yが落ちて需給の均衡点が下がり、逆方向の有効需要がはたらいて景気が悪くなる。


師走に腰痛がはしる
12月18日、朝起きあがると腰になにやら違和感がある。立って腰を少しねじると激痛がはしる。そのうちに歩くのがやっとになってきた。そのまま無理に起きて朝の身支度などをする。

翌日、歩くことがままならない。そこでタクシーを呼び、やっと身を車に引き入れて妻と一緒に布田整形医院へ行く。医院についてすぐに先生の診察をうける。先生は、わたくしをベットに寝かせ、腰や背骨に触れたりやからだをよじらせながら様子をみて、レントゲン撮影を行うように指示する。レントゲン撮影の結果、先生はレントゲン写真をみながら次のように診断された。

症状
・ひとは誰でも長い年月の間に腰の筋肉に疲労がたまってくる
・特に座位で長時間仕事を続けると、腰の筋肉がカチカチに固くなる
・腰の筋肉の疲労が限界を超えると、突然痛みが走ることがある

処方箋
・痛みを鎮めるために安静にして患部を冷やす
・次に、患部を温めながら電気マッサージをして筋肉のコリをとる
・熱を下げ、痛みをやわらげ、炎症を抑え、筋肉のこわばりを改善する
・内服薬と薬に痛みと炎症を抑える腰部への貼り薬を併用する

帰りもタクシーを呼んで家に戻った。その日から薬の服用、腰への貼り薬を貼り、翌日から電気マッサージと整形体操を行うために通院することになった。
人間は哺乳類の中で、唯一立って歩く動物である。背骨を垂直に立てると腰部に負担がかかる。人間はきわめて不自然な姿勢で仕事や生活をするため、腰痛は現代人に多い病気のようである。放っておくと腰骨や脊髄を痛めるので、適切な治療と運動が必要という。

身の回りに腰痛を訴えるひとは多い。妻も随分前から腰や膝が痛いといっており、近くの布田整形医院に通っていたことがある。わたくしは、これまで腰痛なんぞ経験したことがなかった。じぶんで経験してみないとひとの痛みは分からない。遅まきながら、やっとひとの腰痛の痛みがわかるようになった。

高齢でもお百姓さんが元気なのは、毎日畑に出てからだを動かし、考えながら農作業しているからだろう。わたくしは週に1回畑に行って農作業をしているか、このくらいは運動になっていない。家では用事がない限り散歩はせず、机に座っている時間が多く、普段からだを動かす運動はしていない。加齢に加え当然の報いだ。これからは、少しは生活習慣を変えてゆかなければならない。

大腰に 激痛はしる 師走かな 幹治