2011年1月イルミネーション

12月6日午後4時、立川駅改札口に全員集合。本日のお目当ては昭和記念公園のイルミネーションである。昨年は海をテーマとして会場の広場を海原に見立て、そこに様々な魚やクラゲが波間に浮かんでいるものだった。はじめてことでもあり、そのスケールの大きさに圧倒された。今年は森がテーマという。

昨年の昭和記念公園のイルミネーションの撮影日は12月21日で、丁度冬至にあたり、快晴で寒い日だった。午後4時過ぎに立川口の手前で富士山の頂に入日になりダイヤモンド富士が見られた。今回は富士山にやや雲がかかっていたが、西空がややだいだい色をして富士東山腹の入日だった。指導者の指示でカメラのホワイバランスにして没日を撮影する。太陽は真っ赤になって山稜に沈んでゆく。影像を再生してみると赤い色が出ていなく白く太陽が写っている。絞り補正をマイナスにしても同じ。どうすれば入日の太陽が赤く撮れるだろうか。これは今後の課題としよう。

さて、立川口から会場に入り噴水の西洋庭園をみる。遠く大噴水や大欅の電飾は昨年とほぼ同じのようだ。奥の主会場の広場に進む。広場は昨年同様、一面に電飾されている。昨年のお椀を伏せたような大ドームにはウサギやトナカイなど森の動物を半円内側に張り、中から光を当て影絵としている。これが広場のあちこちに浮び、地面には草木の電飾を敷き詰めている。広場の中を川が蛇行して流れている。

撮影のポイントは大ドームを入れ全景をどのような構図にするかだ。ドームの中心に明かりが置かれているので、これにまともにカメラを向けると光量が多すぎ白っぽくなる。そのためカメラの位置を変え、影絵で光を遮り光量を減らして撮る。ドームとの距離も問題だ。昨年のクラゲドームは距離が遠かったため、シャッター優先・シャッター速度を2秒にして撮影した。今回はドームの位置が近いので距離を変えシャッター速度を1秒以下に加減して撮影する。

大噴水へ移動する。昨年は丁度大噴水の頂に月が浮かんでいて真ん中に立つ天使と併せてよい構図の写真が撮れた。大噴水の裏側に回ると簾状に水が落ちており、遠くの庭園の噴水が赤くまた緑に変わるのが見える。大噴水の間から遠くの噴水を配置する構図もまた一景だ。指導者がレンズクロスを取り出しカメラの前にかざす。撮れた写真には水滴の光が十字のようになる。これもまた一工夫した絵柄になった。指導者の指示で変わった撮り方をすると思わぬものが撮れる。

夜景の写真は難しい。しかし夜は昼とは違った面白さの撮影ができる。夜景といえば大都会や港の風景がある。写真は単に撮っただけではつまらない。いかに訴える構図をつくるかだ。これは昼も夜も室内も変わらない。千差万別、これといった決まりがない。撮る人の感性と経験がものいう。見る人に感動を与えるものが芸術というものだろう。素人写真がその域に達するまでには相当の修練が必要だ。いつもながら自分の作品は自分ではなかなか分からない。大勢の人に見せて印象に残るものが作品になる。

電飾の 水面いろどる 師走かな 幹治


イルミネーションは匂いもなく限られた人工の色だ。造化が創りだす様々の色や香りにはかなわない。電飾は所詮あだ花である。人はエコロジーだ、省エネだと叫びながら、一方では夜を昼のように膨大なエネルギーを使い、誘蛾灯に引き付けられた虫のように集まってくる。イルミネーションは、正に反自然の象徴ともいえるものだ。