2010年5月チューリップ

3月29日、翌週4月5日、翌々週4月12日(各々月曜日)予定していたデジカメ撮影会が3週連続雨で中止となった。予定した行事が流れると、今年の気象が例年にない異常気象であることを身をもって実感した。

4月19日朝晴れ、ようやくまちにまった撮影会が実施できることとなった。撮影場所は昭和記念公園。午前9時、JR西立川駅改札口に集合。本日の参加者は指導者をいれる8名。手ごろが人数である。開門が9時半なので、入場するにはまだ30分位間がある。本日は初心者が加わっている。指導者は撮影の心得を予め初心者用の資料にしたがって説明する。説明項目は以下
・始めての撮影
・デジカメのさまざまな機能
・風景写真で大切な構図
・カメラの機能

各自デジカメの設定を確認して園内にはいる。今月より65歳以上の料金が半額になるので切符を手にして改札を通ると身分証明書の提示が求められる。携帯していないと告げると、生年月日が問われるので告げて通過。他の人をみると誰も年齢を問われていない。それではわたくしは65歳以下ではないかと見られたのだろうか。

左手西側本道を北に進み、もみじ橋を渡ると右手にハーブの丘のシバザクラの大群落が見える。丘の東端地点に移動し、全体を見渡すと素晴らしい構図だ。渓流広場の周りと原っぱ西花畑は色とりどりのチューリップが幾重にも咲き誇っている。

風景写真は3分割がバランスのとれた構図になる。風景と人物の取り合わせもある。横と縦の両方を撮ってみる。場所を変えながら水辺の風景もいれて撮影する。指導者は歩きながら絵になる構図の地点で立ち止まる。その位置から左右±約1m以上離れるト構図が変わってくるので、なるべくその範囲内で撮影する。

今日は幼稚園の園児や小学生の遠足で来ている。子供連れの若い夫婦、車椅子のご老人など次々に通りかかる。人は動くのでタイミングをはかりとチャンスを待つことが大切だ。最近では個人の肖像権が問題になるので、了解なしにやたらに正面から人物を撮ると問題になることがあるという。特に展覧会に人物の写真を出品する場合には、撮られた方の了解を得ていることが必要だという話を指導者から聞く。木々の生い茂ったとんぼの湿地に入るとハナダイコンが一面に群生している。雑木が点在する薄暗い林中に、紫色のハナダイコンの下草が雲海のように広がっているさまは幻想的だ。

渓流広場のレストランで食事をとってから、広い道の左手のこどもの森から森の家の庭園に入る。ここは周りを雑木林が囲みチュ―リップのお花畑が満開だ。ここでは建物との取り合わせがあり、さまざまな構図を切り取ることができる。そこから広い道に戻り、みんなの原っぱに入る。

広大な原っぱの北側には一面のナノハナ畑が横たわる。その周りに遅咲きのサクラ(ギョイコウ)が落花している。
原っぱ東畑を抜ける。日が大分傾いてきた。そこから原っぱの中央をみると西日中に大ケヤキが1本立っている。樹間から芝生に浮かぶ大ケヤキを撮る。東側本道を通り水鳥の池を右手に見て西立川口に戻った。

幾重にも 色の連なる チューリップ 幹治


デジカメ撮影あれこれ

コンパクトデジカメは失敗しないで簡単に写真が撮れる。最近の携帯電話は機能が充実してコンパクトカメラに近い機能を持っている。そのために誰でもデジカメ写真を撮ることができるようになった。なんでも写真を撮ることから始まって、記憶に残る、人に訴える、人に感動を与える写真になると、これが急に難しくなる。

よい写真とは何か。写真は一瞬の断面を切り取るもので、絵画と同じだ。音楽は流れ曲想によって時間の経過がある。文学でいえば前者は俳句、後者は短歌に似ている。人は、通りがかりにこころを揺り動かされるものを受け取ったときに、それを何かの形に残したい欲求に駆られ、自分なりに再構築して表現しようとする。

それが写真であったり絵画であったりあるいは俳句であったりする。それらはいずれも叙情(感情を述べる)ことに通底する。大昔、道具が余りなかったときにも人を感動させる絵画は沢山あった。表現する道具が進歩し、さまざまな表現が生まれきた。今はいつでも素人から大家にいたるまでさまざな作品が簡単に見られる。作者名を伏せておいも衆目が一致して選ばれる作品はやはり本物だ。沢山あるものの中から自分の判断で良いものを選び出す。これを繰り返すことが感性を磨くことにつながる。

表現する道具は進歩した。デジカメに例えると、カメラの種類がコンパクトカメラから一眼レフまでさまざま機種が増えた。またデジカメの画素数が増え、さまざまな機能が増え表現する道具が進歩してきたが、使いこなす技術が伴っていない場合が多い。道具に振り回されないとが大事だ。わたくしが俳句から学んだことは省略だった。表現することを一点に絞る。そこから深みや奥行きが生まれてくる。