2007年12月物々交換                   

昨年に続き、今年も玉葱苗を植える季節が巡ってきた。前年の記録をみると、11月7日(立冬)畑に苗60本を植えたとある。今年は昨年の約倍の105本の苗を植える予定だ。11月6日、畝に植わっているコマツナ、チンゲンサイ、オータムポエムの残りを全て収穫し、苗を植える土の準備をする。

まず雑草を取り除き、畝土に炭酸石灰と鶏糞を撒く。備中鍬で向きを変えて何度も土起こしをして十分に土と肥料とを混ぜ合わせる。次ぎに隙間なく畝土を踏んで鋤簾(ジョレン)で平らに均し苗床をつくる。苗床は地面と同じ高さにする方が良いそうだ。その上に巻物の黒マルチシート(沢山の穴明きの意味か)を被せる。予めこのシートは、約1mの横幅方向に15cm間隔で直径5から6cmの丸穴が約5個、同じ間隔で縦方向にも碁盤の目のように開いている。
これを畝土にぴったりと被せ、上下左右約20cmのへりに土を載せ踏み固める。平らにマルチシートを敷くのは結構難しい。何度かシートを剥がして土を平らに均し、敷き直しをする。このシートは乾燥防止と雑草対策が主な目的だ。これで横方向5個×縦方向21個=105個のタマネギ苗の苗床が準備できる。

この畝は、玉葱を前年から半年間、その後にレタスに水菜、続いて大根に人参で半年間使った。一年間を通して休ませないで3回転野菜づくりを行ったことになる。玉葱の出来は約8割位、他ものは半分以下しか収穫ができなかった。この原因はつくり過ぎか、土づくりのせいか、天候不順のせいか、または虫に食われたためか、よく分からない。

収穫する時期で野菜の種類をおおまかに分類すると、トマト、ナス、ピーマン、キュウリなどは夏の果菜類、大根、人参、ジャガイモ、サトイモ、サツマイモなどは秋の根菜類、キャベツ、ハクサイ、ホウレンソウ、コマツナ、シュンギクなどは春秋の葉菜類、ネギ、タマネギなどは春の鱗菜類になる。6坪あまりの畑で多種類の野菜を効率的に育てるためには、よほど計画的に種類を選ばなければならない。

わたくしのような週一農業は、手間をかけられないので一度に成るような夏の果菜類は避けている。また、一度に収穫できるものよりもぼつぼつ収穫できるものが有り難い。その点タマネギやネギなどは収穫までが約半年間畝を占領はするが、あまり手間がかからない。それに保存して長く利用することができる。今年は、春からホウレンソウ、レタス、ジャガイモ、ニンジン、ミズナ、チンゲンサイ、モロヘイヤ、コマツナ、ダイコン、シュンギクなどを収穫した。収穫しても一度に食べきれないので、時々は仲間と野菜を交換することがある。

大昔、漁民は魚を農民は農産物を持ち寄り、互いに足りないものを物々交換した。そこには相手の顔をみて交換するという信頼関係が成り立っていた。最近、食品の偽装問題が毎日のように報道されている。信用を売り物の老舗が問題を起こしている。つくる人と買う人が遠く離れ、互いに顔を合わすことがない。そこにつけこんで悪事をする人が出てくる。規制緩和し、市場原理にまかせるという新自由主義にも限界がある。

*枯蟷螂 畝の土留めに 脚かけて 幹治

*:冬に入って枯色になったかまきり