2007年1月 欅(けやき)落葉

11月19日いちょう祭り二日目の午後、会場の御陵入り口に行った。午後から雨になるという予報がでていたせいか、交差点付近の人出がすくない。午後2時、「よさこいソーラン」の5団体の踊りがはじまった。踊り手は大半が中年の女性。その中に子供や若い女性が混じる。踊りはじめに冷たい雨が降ってきた。それを吹き飛ばすかのように一斉に掛け声をあげ踊っている。見学をしている人にはお年よりが多い。踊り衣装は工夫をこらした半纏に股引きのいでたちで、きびきびと威勢よく見る人を元気づける。

今年は各地でも紅葉が遅れ、ここの銀杏も黄葉をはじめたところだった。例年の祭りの11月下旬には銀杏街道の道端が銀杏落葉で真っ黄色にそまり、逝く秋を彩ったものだ。やはり、いちょう祭りの舞台背景には一面の銀杏の金色世界が似合う。

今年からわたくしが参加している知人の中山の畑が、前年に比べて面積が倍に増え約20a(2000㎡=約2反)位になった。この畑は農薬や化学肥料を一切使わない有機農法で野菜をつくっている。秋の大根や里芋や野菜の収穫が一段落すると、落葉を集めて堆肥作りの準備に入る。堆肥には欅落葉が一番よく、10aの畑に入れる堆肥の量は2~3㌧位必要という。

仮に一袋75㍑のビニールに落葉を10kg詰め込んだとして、200個を集めて2㌧になる。畑の近くに里山があればよいが、これを落葉で集めるとなると大変な量だ。さらに、10倍の1haとなると堆肥も半端な量ではない。里山が農家の近くにあった昔は、落葉集めから堆肥づくりまで一家総出でやっていたものだろう。
 
ここ高尾地区には、欅が植えられてある狭間公園、万葉けやき通り、御陵参道、高尾街道などがある。知人は、畑をはじめた頃は近所のけやき通りの落葉を集めていた。最近では集める落葉の量を確保するために、方々の知り合いに頼んで落葉を集めておいてもらうようにしているとのことだ。先日も同道して宇津木団地の知り合いが落葉掻きをしているところに立ち寄った。団地内には径50㎝位の欅が沢山植えられてある。見上げると高所からからさかんに木の葉が降り、植え込みや道に落葉が散らばっている。

この冬、わたくしは自分でも落葉で堆肥をつくってみようと考えた。近所の駅近くに公園があり、欅が14・5本位ある。11月22日朝下見にいってみたが、まだ落葉は少なく木の上の方が青かった。10日後の12月2日前日降った雨が明け方になってやんだので、再びその公園に行ってみた。園内には砂利を敷き詰めた広場があり、そのわきに胴回り直径1m未満の欅の大木が2本ある。落葉が砂利面を覆うように積もっている。この落葉も例年より10日前後がおくれているようだ。雨水をふくんだ落葉はしっとりとして重い。それでも2時間あまりで、45㍑入り袋に落葉を5個集めることができた。        

あしうらに 五感をあつめ 落葉ふむ 幹治