2006年11月 芋の露

10月始め、2週間ぶりに中山の野菜畑に行く。今年は、秋になっても良い天気が2日と続かない。昨日の雨もあがり久しぶりに晴れた。空はどこまでも青く、遠くの丹沢山塊が近づいて見える。道すがら他の人の畑を見渡すと、夏野菜の収穫がほぼ終わりに近づき、胡瓜やトマトなど茎や葉がしおれ始めている。芋畑では、人の背丈以上もある大きな葉が秋風にふかれ、白い裏地をみせてひるがえっている。芋の茎は、たくましく土に食い込んで、どの芋も今が太りざかりだ。

わたくしの畑は6坪くらいで、そんなに広くない。それでも畳の枚数にすると 12枚くらいの面積になる。3月末に、じゃが芋と里芋の種芋を同時期に植えた。じゃが芋はすでに7月末に収穫できた。里芋の収穫は、これからの11月始めとすると、おのおの生育期間は4ヶ月弱と7ヶ月間余りになる。芋の種類が違うと随分差があるものだ。

8月の下旬に大根と人参の種を一緒に播いた。その大根の間引きは、すでに2度おこなった。土寄せをした大根の根元は2cmくらいの太さになって土から白い顔を出している。大きくひろがった葉は隣の大根と重なるまでになり、みずみずしい。ところどころ虫が喰っているが、大したことはない。農薬をかけて虫が食わない野菜はかえって気持ちが悪い。薬を使わない有機農法では、少々の虫食いはがまんしなければならない。間引きした大根菜は、洗って茹でて、細かくきざみ、油で炒めて味噌を入れて食べる。これをわたくしの田舎では「よごし」といい、ご飯の上にのせて食べるとうまい。

さて次は人参だ。人参の種は1ヶ所に4・5粒近づけて播いた。そのせいか茎がびっしりとくっつきあっている。(この次からは少し離して播くことにしよう) 葉は15cmくらいまで伸びている。これを注意しながら間引いて1本に残して仕立てる。間引き菜の根は太さが5mmくらいで、すでに人参の赤色をしている。それが終わると、鋤簾 (ジョレン)で土寄せをしながら除草する。夏のあのすさまじい雑草の勢いはもうなく、ところどころスギナが生えているだけだ。今朝はうす雲がかかっていて爽やかだ。夏の日中の暑さからするとまるで嘘のよう。汗もかかずに仕事はどんどんはかどる。 

この野菜畑には、約1から2坪ほどの共同の堆肥場が3ヵ所あり、引き抜いた雑草や収穫が終わった作物の残さをまとめて溜めている。これらは1ヶ所で1から2㌧くらいあるだろうか。以前に人の背丈ほどあった残さの嵩が、半分くらいに減っている。これを切り返して堆肥にする。本格的な有機農法をやるためには、1反(300坪:約1千㎡)当たりに堆肥が2から3㌧は必要といわれている。堆肥づくりは落ち葉や作物の残さが主要な材料だ。これと米ぬかと土を混ぜたものとを交互に積み込んでつくる。

親芋を まはし削れる 利鎌かな 幹治