2004年1月 冬木

寒の入りを過ぎてからも晴天が続く。大陸から日本列島にかけて冬型の西高東低の気圧配置がいすわり、時には空っ風が吹き荒れ、連日最低気温が零を下まわる。

近くの雑木林は、人手の入らない楢檪の二次林が多い。戦前までは近くの農家が薪炭取ったり、落ち葉を堆肥に利用していたと思われる里山である。葉を落とした高台の雑木林の前に立つと、木々を通して遠方の景色が透けて見え、木の根元に日が射し込んで明るい。

分厚い布団のような柔らかい落葉を踏むと、膝を通して頭に振動が抜け心地良い。散策するには一年の最も良い季節である。冬の雑木林は、葉を落とした落葉樹と色褪せた常緑樹の区別がはっきりつき、大つかみの鳥の目で観察するには最適である。

木の見分け方は、花が咲いたり実がなると分かり易い。一方、冬の花や実のない時の木の見分け方は、樹形、幹、葉の順に観察してゆくことになる。しかし同一種の木でも、生育している土地や日当たりで固体差が生じることがあるので専門家でも木の名前を同定が難しいことがある。

歳時記では、春夏秋冬のほぼ三ヶ月毎の四季の他に、更に季を各々三等分して初、中、晩を付けた十二ヶ月毎の区分もある。実際の自然観察では一年を二十四に区分して、ほぼ半月毎の二十四節の方が変化が分かり易い。